浜松へ行ってきた。
ご両親と2番目のお兄さんと会って一緒に食事ができた。
お母さんのとても美味しい煮物も頂いた。
ーーーーーーーーーー
そのあと花を持ってひとりで墓地へ行った。
最後に「じゃあまた来るね」と小さく声に出して言ったら
急にとてつもなく哀しくなり動けなくなった。
そのまましばらく墓石の前に立っていたけど
暗くなって雨も降ってきたので
すぐ隣の駐車場に停めてある自分の車に入った。
座っていても恵子のそばから離れる気になれない。
それで恵子の写真を見るために
座席を倒して寝転がってスマホを弄りだした。
そうしたら不意に気持ちがタイムスリップした。
ーーーーーーーーーー
僕は恵子の部屋のベッドに寝転がってスマホを弄っている。
すぐ隣の台所で恵子が夕飯を作っていて
僕は出来あがるのを待っている。
恵子の作ってくれたものを頂くのは
この上なく本当に嬉しかった。
無くなってしまうのがもったいなくて
いつもちょびちょびと一口づつ
味わいながらゆっくり食べていた。
食べ終わってカラになった皿を見つめて
僕が寂しそうな顔で「無い・・・。」と言って
恵子が「またいつでも作ってあげるから」
と笑うまでが毎回のお約束だった。
ーーーーーーーーーー
恵子の咳が少し出始めたころに
「今週末の食事を作る約束は回復するまでちょっと待ってもらえる?」
と言われた。
それからずっと待ち続けている。
